みなさんこんにちは!かいです。
突然ですが、万年筆のイメージってどういったものがあるでしょうか?
もくじ
万年筆がもっているイメージ
私が初めて万年筆に触れる機会を得たのは小学校高学年の頃でした。
母に、うちに万年筆はあるか?と尋ねた事がその機会を作ったわけですが、そもそもなぜその質問を母にしたのかははっきり憶えていません。
もしかしたら漫画かアニメなんかで万年筆の存在と名前を知った事で興味を持ち、母親に尋ねたのかもしれません。
いずれにせよ、当時から常用していた鉛筆やクレヨンなんかとは明らかに異なった特別な筆記具であるというイメージは持っていたと思います。
私が初めて万年筆に触れた当時はもちろん、現在でも多くの方が万年筆と聞いてまず想像するであろうデザインは、本体が黒くてツヤツヤした、大振りなボディと金色に輝くペン先を持つ重厚な筆記用具で、小説家や作家の書斎にペントレイに「高級品でござい」と鎮座しているようなイメージではないでしょうか?
さすがに今の時代、そんな古臭いイメージを持っている方はいらっしゃらないですかね。小説家や作家の先生もデジタルで執筆してらっしゃるでしょうしね・・・。
ですが私が子供の頃はまさにそんな印象がある筆記具でした。
少なとも「高級品」であるという事は否めなかったと思います。
現在の万年筆像
私が万年筆の存在をはっきりと知った当時から40年近くが経過し、万年筆という筆記具は「特別な高級品」であるというイメージを一部残しつつ、覆されているようです。
現在でももちろん、一本が数万円、あるいは十万円を超えるような価格の万年筆が販売されています。
そういった高級品は、たしかに書き手の心に色々な意味での満足感を与えてくれる事でしょう。
だからといって、二千円程度の価格で購入できる万年筆が満足できない製品なのか、といえば答えは「否」です。
私は筆記具が好きです。人間の手で作られたツールであり、それが完成に至るためには膨大な失敗や繰り返されたであろうテスト、さまざまな新しいアイデアなどが込められています。
私は筆記具を、人が作り上げたツールの中で最も価値のあるものの一つであると考えています。
なぜなら、筆記具はあらゆる形に姿を変えつつも、人の思考やイメージを具象化させることができる道具だからです。
もちろんただそれだけならば鉛筆でも事足りますし、さらに言うなら砂に木の枝で書きつけるだけでも用は足ります。
ですが、現在多くのメイカーが販売しているあらゆる筆記具は、人の思考やイメージを具象化させるためのみならず、そこに大いなる価値があることを理解しておられるのではないかと私は考えます。
高級な筆記具もワンコインで購入することができる筆記具も何かを「書く」という点においては優劣はありません。
ただ、それ以外の付加価値をもたらしているからこそ高価な筆記具が生まれるわけです。
それが書き味の良さであったり、筆記、描画時のストレスをできうる限り無くそうとする努力であったりです。
そういったものの一つが、現在のさまざまなメイカーで採用されている「シンプルな美しさ」や「無駄を削ぎ落とした機能美」なのではないかと思います。
とはいえたしかに、いくつかのメイカーが持つブランドイメージによって値段がつけられているものもあるでしょう。
一見無駄に思える宝石を誂えた筆記具なども見受けられます。
ですが私はそれらの筆記具に対して、ネガティブなイメージを抱いているわけではありません。
どのような形を取ろうとも筆記具の本質は不変であって、筆記具が何かを「書く」ツールである以上、最も大切で必要な機能はそこに備えられており、取り去られる事は無いからです。
書き味の良さ、美しい宝石、高価な材質はそれらを際立たせるおまけのようなものです。
カヴェコフロステッドスポーツ
カヴェコについて
Kawecoは、ハインリッヒ・コッホ(Koch)と、ルドルフ・ウェバー(Weber)により、1883年にドイツのハイデルベルグで創業され、二人の名前からKawecoと名付けられました。
1909年に画期的な技術を取り入れた、安全繰り出し式のセーフティ万年筆を発売したことでも知られています。
また、1930年代に発売された「Kaweco Sport」は、1972年のミュンヘン・オリンピック開催の際に公式ペンとしても認定されました。「Kaweco Sport」はクラシックなイメージの中に、機能性、携帯性を兼ね備えた製品となっております。
1976年にKawecoは一旦その幕を閉じましたが、1995年にドイツ・ニュールンベルグのグットバレット社により復刻されました。
その後、当時の面影を残した数多くのペンが復刻されています。
現在のカヴェコはさまざまなデザイン、さまざまなカラーリングの筆記具を発表しています。
万年筆だけにとどまらずローラーボールやペンシルなど、対象となる年齢層をかなり幅広くとっているようです。
フロステッドスポーツ
そんな中から、「Kaweco Sport」を復刻させたモデル、その名もカヴェコスポーツのシリーズの一つ、「カヴェコフロステッドスポーツ」のラインから「ナチュラルココナッツ」を選びました。
フロステッドスポーツのシリーズは全6色のラインナップですが、どれもパステルカラーをイメージさせる可愛らしいボディ色です。
どの色も可愛らしくて魅力的なのですが、一本めのフロステッドスポーツとして私は「ナチュラルココナッツ」を選びました。
よく見るとこのボディ、半透明なんですね。
完全な透明ではなく、白みのかかった半透明です。
L.E.D.ミラージュの半透明装甲を憶いだす方もおられるのではないでしょうか。
私がこの色を選択したのもそれが理由だったりします。
このシリーズは外装もとてもシンプルです。ボール紙で作られたケースにプラ製(かな?)の袋が入っており、ペン本体はその袋に包まれています。
上の画像のほか、説明書が一枚同封されているだけです。
本体を購入するとコンバーターが一本付いてますが、インクカートリッジにも対応していますので、お好みで使用できますね。
また別の記事で書く予定ですが、カヴェコの万年筆用インクはユニークな色が揃えられていて、どのインクを使うか選ぶのも楽しみの一つだと思います。
コンパクトで扱いやすいサイズ
このペンに使われているコンバーターは、「カヴェコ ミニコンバーター」というタイプのものです。
他にもカヴェコ製のコンバーターがありますが、そちらのタイプはもう少し大きなペンに使われるものですので、カヴェコスポーツなどの小さなタイプのペンには適合していません。
私はサイズの大きなペンはキャップをペン本体の尾部に取り付けずに使用することが多いです。これについては使用者の手のサイズによると思うのですが、大きめのペンを使用する際、キャップを取り付けるとバランスが取りづらく感じてしまうことがあるためです。
このフロステッドスポーツはカヴェコの万年筆の中でもコンパクトなサイズですので、キャップを尾部に取り付けないと小さすぎて持ちにくいです。
新しい楽しみ方
このシリーズのペン先はEF、F、M、B、BBがあります。
さらに、交換用のユニットとして首軸ごと取り替えられるようになっており、全6色がそれぞれのサイズで揃えられています。
胴軸部と首軸部の色を変えて組み合わせる事もできますので、自分好みのペンを組み立てて楽しむこともできますね!
万年筆のパーツ同士を組み合わせて楽しむという感覚はこれまでになかったもので、画期的です。
同様のパーツ交換で好みの色に合わせるという事は、トンボのエアプレスという商品で私も試してみましたが、それと同じ楽しみ方が万年筆でもできるんですね。
こういった楽しみ方ができるという商品が開発されているのも、万年筆が広く受け入れられている証左なのでしょう。
書き味は?
さて、書き味ですが、私が購入したのはMニブだったこともあり、インクフローは全くストレスなく、さらさらとした書き味です。
決して高価なペンではありませんので、ペン先はステンレススチール製で少し硬めです。柔らかくしなるペン先が好みの方にはつよくおすすめできませんが、握ったときのサイズも丁度よく、扱いやすいペンだと思います。
フロステッドスポーツ、スポーツのシリーズにはクリップが装備されていません。そのため、持ち運びする際にはポケットにそのまま入れるか、ペンケースなどを使う必要があります。
クリップはありませんがキャップが八角形に加工されているため、デスクなどに置いても転がってしまう事を防いでいます。
クリップのないシンプルさがこのペンの魅力の一つだと思います。
私は一年に数回のみ手紙を書くことがあります。自分にとって特別な何人かの人に対して書くのですが、その時は万年筆を使うようにしています。
白い便箋に万年筆を走らせる時、少しずつ文章が紡がれるわけですが、色鮮やかなインクで文を書きすすめるのは、一つの作品が仕上がっていくような充実感があります。
このフロステッドスポーツもまた、そういった時に使用するペンの一つです。
書くだけではなく、見て楽しむこともできるペンのひとつとして、ご使用してみてはいかがでしょう。
それでは、今日も良いカキモノ日和となりますように!