カランダッシュ ボトルインク エレクトリックオレンジ

みなさんこんにちは、かいです。

今回わたしが紹介するのは…

カランダッシュ(のボトルインク)エレクトリックオレンジです!

カランダッシュのボトルインクは、他メイカーのボトルインクに比べると若干の割高感がありますね。

50ml入りで定価は税込4400円です。

ショップによっては値引きした価格で販売していますので、もう少し安く入手できると思います。

購入された経験がない方の、ひとつの目安になれば幸いです。

おしゃれなケースです。
おしゃれなケースです。
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インク沼

万年筆が好きな方、若しくは万年筆を常用している方の多くは、『愛用の一本』というものを見つける事になると思います。

そして次に、人によっては万年筆と同時進行で自身がもっとも気に入るインクを見つけようとする方が多いようです。

かく言うわたしもそうです。

各万年筆メイカーや文具メイカーからは、それこそ数え切れないほどの種類のインクが発売されており、その中から気に入った一色を見つけ出すことは途方もない時間と労力、何より金銭的な余裕が必要になります。

ひとつ気に入ったインクを見つけ常用していたとしても、何かの拍子に別のメイカーから発売されているインクを見つけてしまい、ついつい手を伸ばしてしまう、というのはよくある話です。

そして、そういった行動は悲しいかな何度も繰り返されてしまうものなのです。

何度も繰り返され、ゴールが見えないながらもひたすらに探し求め続けるこの行動を、ひとは『沼に陥る』と呼んだりします。

インク沼ですね。

とはいえ、悲観的な感情ばかりが先走るわけでもありません。

前述のとおり、世にインクの種類は数え切れないほどあります。

ひとつひとつが美しい色彩を持ち、ペン先から紙面を走るインクは時に使い手の心を昂らせ、あるいは落ち着かせます。

ボトルに詰まったこれらの美しい『作品』を、ひとつでも多く手にとってみたい。さらに使ってみたい、と感じる心は否定されるべきではないと思います。

まぁ要するに、好きなものは好きなんだから経済的に破綻しないよう注意しながらいろいろ試したい、というわけですね。

カランダッシュのボトルインク

以前『849ボールペン』の紹介をしましたが、スイスの企業であるカランダッシュは筆記具のみならず、高級ライターや革製品なども製造、販売しています。

ですが、カランダッシュ社の歴史はもともと鉛筆工場から始まりました。

画像はイメージです。
画像はイメージです。

次々と筆記具を開発、発表していく中で『スイスメイド』に拘り、創立100年を超える現在でもそのほとんどの製品をジュネーヴの自社工場にて開発、製造しているそうです。

創業間もない時代のセールスカーでしょうか?なかなかにサイケてますね。画像はカランダッシュ公式サイトより引用。
創業間もない時代のセールスカーでしょうか?なかなかにサイケてますね。画像はカランダッシュ公式サイトより引用。

さて、さまざまな画材を開発していく中で培われた知識や経験から開発されたのが、『CHROMATICS INKREDIBLE COLORS』と呼ばれる新しいインクシリーズです。

In”c”redibleとinkを掛けているんですね。

なるほど。

言葉遊びを楽しむのは世界共通みたいです。

このシリーズは全12色が発売されており、ボトルインクとカートリッジインクがそれぞれ存在します。

その中から今回わたしが紹介するのが、『エレクトリックオレンジ』です。

名称がまずかっこいいですね。

こんなボックスに入ってます。
こんなボックスに入ってます。

インクが好きな方でしたら共感してもらえるかもしれないのですが、インクの名称ってかなり凝ったものも多くありますよね。

なんとかブルーとか、なんとかイエローとかです。

昔ながらのシンプルな名称を今でも使っているメイカーももちろん多くありますが、『え、それってどんな色なの?』と問いたくなるようなネーミングもあります。

そんな中…

『エレクトリックオレンジ』

*エレクトリック:electric 電気の、(形)電動の

『電気の(電動の)オレンジ』

或いは

『電気の橙(だいだい)』

イマイチ解ったような解らんようなネーミングです。

とはいえ響きはかっこいいですね!

エレクトリックオレンジ!

某漫画に出てくるスタンドの名前みたいです。

『う〜、ううう、あんまりだ』画像はイメージです。
『う〜、ううう、あんまりだ』画像はイメージです。

まあそれはともかく、ネーミングイメージから来るインパクトは抜群ですね。

エレクトリックオレンジ

さて、実際にブツを用意しました。

外箱はシンプルな無地の厚紙製で、カランダッシュの名前とバーコードが印刷されたシールが貼られているだけです。

蓋を開けると…

こんな感じでケースが入っています。

第一印象は『香水の瓶でも入ってるみたい』でした。

おしゃれですね。

これだけ見ても万年筆用インクが入っているようには思えないでしょう。

ケースを出してみました。

下にカッティングマットを敷いていますので大体の大きさがわかると思います。

縦9センチ、横幅7センチ程度です。

このインクシリーズの大きな特徴のひとつが、底部が斜めにカットされたボトルです。

こんな感じです。

ボトルを上から見ると六角柱状になっており、ケースとピッタリ合うように作られていますので、ケースにしまっても正立します。

ボトルとケースにほんのわずか、遊びがある分傾いてますね。

ボトルの蓋は金属で造られおり、かなりずっしりしています。

では、インクをペンに入れてみます。

色合いは明るいオレンジ色です。

画像の具合でペンに入ったインクが若干暗く見えますが、実際は『かなり濃い目に淹れた紅茶』に近いと思います。

オレンジ系のインクはあまり使用したことがないのですが、綺麗です。

書き味は?

筆記してみましょう。

今回万年筆はTWSBI ECO (ニブはF)を使いました。

紙面にペン先を走らせてみて、わたしがまず気づいたのは『硬い』というイメージです。

意味のわからない感想で申し訳ありません。

説明しますね。 

あくまでもわたし個人が理解していること、と前置きしますが、いくつものメイカーから発売されている万年筆用インクには大きく分けてふたつの種類があると感じています。

紙面にペン先を走らせて、例えば文章を筆記したとき、自分がイメージする文字の太さというものがあります。

それは万年筆のニブ巾とは関係なく、『このニブ巾だからこのくらいの太さの線がひけるだろう』と頭の中でイメージするものです。

そのイメージを持ったままで筆記したところ、自分が予測しているより線幅が太くなる場合があります。

太くなる、というのは紙面に乗ったインクが紙に染み込むとき、ほんのわずかですがひいた線の幅よりも広がってしまう、ということです。

これはインクフローが良好な万年筆を使っているから、というわけではありません。

同じ万年筆、同じ紙を使用しても使うインクによって明らかに異なります。

わたしはこの現象を起こすインクを『柔らかいインク』と呼びます。

そしてそうではないインク、つまりインクが紙面に染み込むときに線幅のままで収まるものを『硬いインク』と呼んでいます。

詳しく研究したわけではないので、具体的には不明な点が多いのですが、おそらく各メイカーがインクを作るときに使用する原材料の種類やその割合によって起こる現象なのでしょう。

わたし個人は『硬いインク』の方が好みです。

カチッとした線が引けるからです。

万年筆用インク、中でも染料インクは水性ですので、ボールペンのインクに較べてもさらさらです。

ですのでどうしても、細かい文字や画数の多い漢字などを書く場合は文字が潰れてしまう事もあります。

硬いインクの場合、これがあまり起こりません。

そして、今回のエレクトリックオレンジは『硬いインク』に分類されます。

上の画像がエレクトリックオレンジを使って筆記したものになります。

そしてこちらはパイロット『色彩雫』秋桜を使って筆記したものです。

ノートは両方ともモレスキンを使用しています。

よく見ないとわかりづらいのですが、色彩雫の方は文字自体が若干ふっくらしています。

上の二枚の画像は同じ万年筆(ニブはF)を使い、ほぼ同じ速度で筆記したものですが、文字自体にこのくらいの差が出ます。

万年筆を愛用する方の中には、太めのニブでたっぷりとインクを使って筆記するのを好む方が多いと思います。

わたしも昔はそうだったのですが、文字を筆記するとき小さめに書いてしまう癖がありますので、どうしても文字がつぶれて見づらくなってしまいます。

そのため、使用するニブを細いものに変更するようになり、最近ではほとんどFかEFを購入し、場合によってはさらに研ぎ出しをして自分好みに仕上げて使用するようにしています。

まとめ

カランダッシュのインクは、万年筆を愛用しておられる方、またディップペンなどを愛用しておられる方を問わず気に入っていただけると思います。

非常に良い発色をするインクですね。

わたしのように『硬め』のインクが好みの方でしたら尚更、お気に入りのひとつになれるのではないでしょうか。

また、ボトルやケースのデザインも洗練されており、デスク周りのインテリアとしても映えると思います。

少し値が張りますが、大切に使うことで価格以上の満足感を得られるでしょう。

それでは、今日も良いカキモノ日和となりますように!

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