みなさんこんにちは、かいです。
今回は高級筆記具の代名詞のひとつでもあるブランド『モンブラン』から、万年筆用ボトルインクを紹介します。
色名は『バーガンディレッド』です!
もくじ
モンブランとは?
ここでいう『モンブラン』とは、『シンプロ・フィラーペン・カンパニー』を前身とする高級筆記具などを扱うブランドをいいます。
1906年、ドイツ ハンブルグの銀行家アルフレッド・ネヘミアスとベルリンのエンジニアであるアウグスト・エーベルシュタインはともに、 シンプルなペンを製作することを決めました。
その後ヴィルヘルム・ジャンボア、クリスティアン・ラウゼンが共同経営者として加わります。
彼らは『シンプロ・フィラーペン・カンパニー』として会社を法人化しました。
さらにハンブルグの実業家のクラウス・ヨハネス・ フォスが会社に加わった後、ハンブルグのカフアマチャーライエの「インダストリアル・パレス」に 本社を置く「シンプロ フィラーペン カンパニー」が設立され、商業登記されました。
それから100年を超える年月が経ち、『モンブラン』は筆記具のみならず腕時計、革製品やフレグランスまでを扱う総合ブランドとなりました。
筆記具メイカーとしてのモンブラン
わたしがモンブランの名を知ったのは子供の頃に読んだ漫画か何かが最初だったと思いますが、当時は高級万年筆の代名詞としてその名が知られていました。
モンブラン製の万年筆は黒く美しいレジン製の本体と金のペン先、そして本体を飾るリングやクリップが見事なコントラストを作り出し、無駄を省いたシンプルな美しさはある種の完成形でもありました。
1980年代になってモンブランはイギリスのダンヒルに買収されます。
さらに1993年にはダンヒル自体が、スイスに拠点を置く企業グループであるリシュモンに買収された事により、現在モンブランはリシュモン傘下の一ブランドとなっています。
モンブランのボトルインク
今回わたしが紹介するのは万年筆用のボトルインク ですが、パッケージひとつとっても、いかにも『高級ブランドです!』って雰囲気が漂ってますね。
ちなみにわたしが15年くらい前に購入したボトルインクとはパッケージがだいぶ異なってます。
手前のが以前購入したエメラルドグリーンです。
奥のが現在購入できるボトルインクのパッケージになります。
パッケージの幅が一回りほど広くなっています。
ちなみにもうエメラルドグリーンは作られていないです。
現在購入できる緑系はアイリッシュグリーンという名称ですね。
内容量は60ml、定価は税込みで2640円です。
ではボックスを開けてみます。
側面に取っ手がついてますね。
引き出しのようにスライドさせます。
ボトルを押さえ込むためのスポンジがはめられていますね。
スポンジを外すとボトルが見えます。
ちなみに底部もボトルの形にスポンジがはめられていて、ボトルががたつくことはありません。
現行モデルのボトルです。
わたしが持っている旧いボトルとは形が異なっています。
手前のが旧ボトルです。
現行型はエッジが強調された形になっていますね。
キャップのデザインもホワイトスターの周囲にリングがデザインされていて現行型の方が高級そうです。
これが現行型のボトルです。
旧ボトルはその形から『靴形』などと言われたりしてましたが、現行型もなんとなく靴の形を踏襲してデザインされていますね。
書き味は?
では実際に万年筆にインクを入れて筆記してみます。
ペンはTWSBI ECOを使用します。
ニブはFです。
このインク色名の『バーガンディレッド』ですが、そもそも『バーガンディ』という色名が『ワインレッド』と同意で使用されます。
またブルゴーニュワインの英語名をバーガンディといいます。
その名の通りインクは濃い赤紫色ですが、紙に筆記すると若干色味が変わります。
紫がかった赤、といった感じです。
ラミーのクリスタルインクシリーズのひとつ、『ルビー』と比べてみますと色の雰囲気は近いのですが、バーガンディレッドの方がとても濃いのがわかります。
『ルビー』は透明感のある赤といった色味ですが、それと比べてバーガンディレッドはしっかりと色の濃さが出ます。
画像の色合いは若干明るく写っていますが、実際にはもう少し濃く深い赤といった色味になります。
そしてこのインク、以前紹介した『カランダッシュ エレクトリックオレンジ』に近い『硬め』のインクです!
インクなのに『硬め』ってなに?って思いますよね。
少し説明します。
説明させてください。
『硬い』インク
これからのお話はあくまでもわたし個人の経験に基づくものであって、各メイカーが発表しているインクの原材料の割合など、詳細なデータを基にしているものではありませんので、ご承知おきください。
万年筆にインクを入れて使用するとき、筆記する紙にもよるのですが、ニブが曳いた軌跡の幅よりも実際に筆記された文字などの幅の方が広くなることがあります。
『広くなる』ということは、ニブが曳いた軌跡にインクが流れ込んだ後、表面張力の働きによってインクが盛り上がった状態のままで乾くのではなく、表面張力が働く前にインクが『ニブが曳いた軌跡よりも若干広く』紙に染み込んでしまい、乾くということです。
つまり、線を引いた場合は少し線の幅が太くなってしまう、という意味です。
このインクを使って小さめの文字、特に画数の多い漢字を書こうとすると、文字が潰れてしまうことがあります。
この『ニブが曳いた軌跡よりも幅が広くならないインク』をわたしは『硬いインク』と呼んでいます。
液体であるインクですから別に硬くも柔らかくもないのですが、わたしの中でインクの種類を区分けするための目安として『硬い』『柔らかい』を使っているんですね。
前述の通り筆記する紙によってこの効果は異なる場合があるのですが、何種類かのインクを同じ紙で使用した場合でも明らかに異なる結果が出ます。
つまり紙質に左右されずに起こる、インクの質を原因とした現象だということです。
この現象の正式な名称などが存在するのかも知れませんが、わたしは勉強不足ゆえにそこまでの理解を得ていません。
ちなみに硬いインクの場合、『カリカリ』とした書き味になります。
細めのニブを使って筆記する場合は漢字を書く時など、『とめ』や『はらい』などの表現が比較的容易に行えます。
対して柔らかいインクの場合、太めのニブでたっぷりとインクを使って筆記するのに向いていますね。
そもそも万年筆が開発、発展してきた欧米では日本語や中国語のような細かい文字を日常的に書くことはありませんから、太めのニブが好まれるようです。
柔らかいインク、太めのニブ、インクフローの良さが揃うとストレスなくぬるぬるとした感触で筆記することができます。
硬めのインクと細いニブを使うと細かい文字が書けますので、小さめの手帳などに筆記するときも便利ですね。
まとめ
さて、モンブランのバーガンディレッドですが、色味についてはその名の通り『ワインレッド』をイメージさせるものです。
いわゆる赤いインクとは全く異なった色合いであり、かなり濃く深い赤紫色といった方が正確でしょう。
紙に筆記してみてもそのイメージはしっかりと残ったままです。
筆記した直後と、インクが完全に乾いた後で色の変化はほぼ有りませんが、わたしの正直な感想として使いどきを選ぶインクかな、と思いました。
濃い赤紫色のインクを普段使いにする方ももちろんいらっしゃるとは思いますが、毎日の日記をつけたりするより、特別な手紙を書くときなどに良いかも知れません。
このインクの持つ特徴的な深い紅色は相手の方に強い印象を与えることができると思います。
また定価は税込みで2640円ですが、ウェブショップによっては販売価格に幅があり、定価以上の価格で販売しているところもありますね。
モンブランの公式ウェブショップ(Eブティックと言うそうです)で購入される場合、購入金額が1万円以上で送料が無料になるようです。
それでは、本日も良いカキモノ日和となりますように!