#8 セーラー顔料インク ストーリア イエローグリーン

みなさんこんにちは!かいです。

カキモノを愛する皆さんはおそらく、ご自身のお気に入りのインクというものがあるのではないでしょうか?

万年筆を愛する方にとってはもちろんのこと、つけペンを愛用する方にとってもインクというのは新作が発表されたり、それまで知らなかったものを見つけたりした時に少なからず心躍る原因となるものだと思います。

目次

インクとは?

以前記事でも少し触れたのですが、私は小学校等学年の時に万年筆に触れる経験をしたのですが、その時はインクを切らせており、その万年筆を筆記に使用することはかないませんでした。

それから年月は経ち、専門学校に進学した私は、それまで知らなかったたくさんの文房具や筆記具を知ることになります。

そんな中、初めて触れたインクはホルベイン社のドローイングインクでした。

専門学生だった当時から使っているもの。

当時はこれらのインクをイラストに使っていたと記憶しています。

私の同級生で一人、インクの使用に長けた人がいました。彼の作品を見て感心したのを覚えています。

私は当時、透明水彩絵具を使ってイラストを描くのが好きで、カラーインクの類はほとんど使ったことがありませんでした。

染料インクとは?

そもそもインクとはどのようなものなのでしょうか?

インク英語: ink)とは顔料染料を含んだ液体ジェル固体で、文字を書いたり表面に色付けするために用いられるものである。油性水性などの種類がある。筆記印刷で用いるものはオランダ語由来のインキ(inkt)と呼ぶ場合が多い。

(Wikipediaより引用)

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/インク

つまり、液体のものに限らずインクと呼称するようです。

古代中国から日本に伝わった墨もインクの一つです。

中でも染料インクは染料を溶剤に溶かしたもので、顔料インクに比べて色の種類を多く作ることができます。

そもそも染料は古代から造られ、使用されてきました。

植物から抽出した天然の色素や、同じく動物(貝や虫など)を利用して造られるものもあります。

さらに時代が進むと、人工で合成された染料が作られ始めます。現在使用されている染料のほとんどは合成染料のようです。

染料インクの特徴として、印刷面に浸透することが挙げられます。そのため、使用する紙の種類によっては滲みをつくる場合があります。

さらに耐水性、耐光性はのちに紹介する顔料インクに比べて劣ります。

顔料インクとは?

顔料インクは染料インクとは異なり、顔料を溶剤に分散させたものです。分散というのはつまり溶剤の中に色を形作る微細な粉末が浮遊している状態です。

そもそも顔料の意味は着色に用いる粉末で、水や溶剤に溶けないものの総称として使われます。

そのため紙などの表面に顔料が付着する事で着色されます。紙の内部にまで浸透しにくいんですね。

染料インクに比べて耐水性、耐光性に優れます。

ただ、染料インクのように色数が多くありません。ちなみに私たちに馴染み深い墨汁も着色剤の微細な粒子が溶けているわけではないので、顔料インクと同じ特徴を持っていますね。

セーラーから発売された顔料インク

さて、以前から気になっていた万年筆用インクを購入しました!

それは、セーラー万年筆株式会社(以下セーラー)から2015年に発売された万年筆用ボトルインク

STORiA(ストーリア)です。「i」だけ小文字表記なんですね。なんか意味があるんでしょうか?デザイン上のものですかね。

STORiAのシリーズは現在8色が発売されています。

これはイエローグリーンです。

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それぞれの色をイメージした名称がついています。
マジック(パープル)
ナイト(ブルー)
バルーン(グリーン)
クラウン(イエローグリーン)
スポットライト(イエロー)
ライオン(ライトブラウン)
ファイヤー(レッド)
ダンサー(ピンク)
の8色です。
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これは、セーラーが独自に開発した超微粒子顔料インクのシリーズで、いわゆる染料インクとは異なった特徴がいくつかあります。

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1 水に強い
染料インクは描画の後、インクが一度乾燥しても水に濡れると滲んでしまいますが、顔料インクは滲みにくくなっています。

2 裏抜けしにくい
インクの粒子が紙の表面に定着するため、染料インクのように紙の繊維質にまで浸透しにくくなっています。
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さらにもう一つ、超微粒子顔料インクの名の通り、万年筆での使用時、目詰まりしづらいという特徴もあるようです。ですが、万年筆も「セーラー社の万年筆に使用してください」と注意書きがされています。

実際に使用してみました!

可愛らしいガラスのボトルに入っている状態で見ると黄緑色と言うよりは若干緑色のイメージが強いように感じます。

はっきりとした色味ですね。では、実際に試し書きしてみましょう。

使用したのはゼブラGペンと平筆です。

画像上がゼブラGペン、平筆はホルベインのニューリセーブル4番です。

参考のために同系列のインクも用意しました。緑系統のインクで手持ちはモンブランのエメラルドグリーンしかないので、これを使います。

ストーリア イエローグリーンとモンブラン エメラルドグリーンのインクです。
今回使用したのは水彩用紙です。

試し書きしてみると色味は全く違いますね。モンブランのインクは青味の入ったターコイズ系に近い感じです。

ストーリアの方ですが、Gペンで描いた方はともかく、平筆で描いた格子の色味はパッケージで表示されている色に近いようです。

こうして見ると確かに黄緑色ですね。かなり明るい色です。

Gペンで描いた線もしっかり黄緑色だとわかりますね。

ちなみに今回試し書きに使用したGペンですが、この一本は20年以上前から使ってます。いろんなインクを試していますからインクがこびりついては削り落とし、また使っては削り落とし・・・を繰り返してここまで来ました。

個人的な感想なのですが、Gペンは新品の状態では引っ掛かりがあったりして少し書きにくい印象があります。しばらく使用して馴染んできてからが本番、といった感じです。

耐水性は?

それでは、顔料インクの特徴の一つである耐水性について試してみます。

上の画像を撮影してから丸一日置いて完全に乾燥させたのち、水滴を落としてみます。

わかりづらいですが、ストーリアの方は全く滲んでいません!

さらに水滴を落とした部分をティッシュで拭き取ってみると・・・

染料インクの方はティッシュにインクが移ってしまってます。

やはり顔料インク、耐水性の高さはさすがですね!

さいごに

ストーリアには今回使用したイエローグリーンの他に7色、合計8色がリリースされています。

顔料インクであるというアドバンテージは使用する書き手によってさまざまに利用できると思います。

染料インクではできにくかった表現なども可能になるでしょう。現在発売されている色数は8色ですが、もしかしたら今後も増えていくかもしれません。

顔料インクということもあり、手を出しにくかった方もおられるかもしれませんが、一度使ってみてはいかがでしょうか。

では、今日も良いカキモノ日和でありますように!

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