みなさんこんにちは、かいです。
現在でもそうなのですが、私はボールペンを使用する際、インクの色は青を選択する場合が多いです。
以前はオーソドックスな黒いインクのリフィルを使用していましたが、特に文字を書くときはどうしても長文になる事が多く、ノートをめくると真っ黒な文字で埋め尽くされたページが続く事になります。
それと、私が使っていた頃の黒いインクは経年によって色が退色してしまい、紫っぽい色になるのがどうも苦手でした。
そこで、私が試しに使ったのが青いインクでした。
元々青系の色が好きでしたので、私はすぐに気に入り、以降ボールペンのインクは仕事で使う場合もプライベートでも青いインクを使用しています。
カランダッシュとは?
さて、私が普段使いにしているボールペンはいくつか種類がありますが、そのうちの一つがカランダッシュ(CARAN d’ACHE)のボールペン、849シリーズです。
カランダッシュは元々スイス、ジュネーヴでの鉛筆工場から始まりましたが、筆記具にとどまらず革製品や高級ライターなども販売しています。
現在ではスイスメイドの製品に強いこだわりを持ち、非常に品質の高い製品を作り続けています。
カランダッシュの歴史
1915年、スイス ジュネーヴにエクリドール鉛筆製造所が設立されました。
その後1924年、アルノルド・シュヴァイツァー氏がエクリドール鉛筆製作所を引き継ぎ、名称を「カランダッシュ スイス鉛筆製造所」に変更しました。
1929年、自動給芯機構を持つ世界最初の金属製メカニカルペンシル「フィックスペンシル」を開発しました。
さらに特許を取得し、カランダッシュ社のデザイン上の特徴である六角形デザインを採用して「エクリドール」という名称で発売します。
この「エクリドール」という名は、フランス語で「書く」という意味の「Ecrire」と「金」という意味の「Or」を組み合わせた造語で、現在でもボールペンや万年筆の高級ラインのシリーズ名として残されています。
さらに1953年にはボールペンを、1972年にはローラーボールペンを発売します。
そして、1974年にはライターを発売しました。
このライターは優れたデザインと非常に厳しい製品基準により、現在も人気のあるアイテムです。
また、カルティエやダンヒル、S.T.デュポンと並んで評されているようです。
さらにカランダッシュは、2007年に1本が2000万円という万年筆「1010」(テン・テン)を発売し、話題に昇りました。世界10本限定品で、日本には1本のみ輸入されたそうです。
そして、2010年には1本が1億円の「1010ダイアモンド」というとんでもない価格の万年筆を発売しました。
これはホワイトゴールドと850個にものぼるダイアモンドがあしらわれたもので、スイスの高級腕時計産業へのオマージュとして創られたそうです。
カランダッシュの由来
「カラン・ダッシュ」(Caran d’Ache)とはロシア語の単語karandash (карандаш)に由来し、「鉛筆」を意味します。
そして、19世紀当時のフランスの風刺画家および政治漫画家のエマニュエル・ポワレの雅号が「カラン・ダッシュ」でした(1858年11月6日-1909年2月25日)。
彼の最初の作品はナポレオン時代を称賛しながら、「言葉のない物語」を作り続け、ル・フィガロなどの新聞への寄稿者として、漫画の先駆者の一人として称賛されることもあります。
アルノルド・シュヴァイツァー氏は彼にちなんでカランダッシュの社名を名付けました。
849ボールペン
さて、1953年からカランダッシュの製品ラインナップに載ったボールペンですが、現在でも発売されている商品の中でも比較的安価なシリーズが「849」という名称のボールペンです。
これは、カランダッシュの本来の名称の通り、鉛筆を模した六角形のボディを持ったペンです。
849シリーズにはオーソドックスなカラーリングの「クラシックライン」と呼ばれるシリーズの他、数多くの限定品やいくつもの企業とのコラボレーション製品もラインナップされています。
このボールペンのサイズは全長128㎜、重量は約16gです。
ペン自体のデザインはとてもシンプルで、オフィスユースを想定して作られたモデルです。
ボディはアルミニウム製でしっかりとした塗装がなされており、暖かみのある本体とは対照的にシャープなデザインのクリップが装着されています。
胴軸は決して太くなく、男性と比べて比較的手のサイズが小さい女性でも扱いやすいです。
また、このボールペンのもう一つの特徴は、ノックボタンを押し込んだときの感触です。
わたしは初めてカランダッシュ849を使用した際、ノックボタンを押し込んだ感触に驚きました。
「かちっ」というありふれた硬い音ではなく、「しゃくっ」あるいは「しゃふっ」と表現するような、あくまでも柔らかい感触と音なのです。
そのときわたしは、
「さすが高価なボールペンはノックの音も違う!」と感動したものでした。
要するに中に入っているスプリングが柔らかいんですね。
さらに下の画像を見ていただくと解るのですが、一般的なノック式ボールペンでは本体内に収められているノックカムという部品が、同軸の中ではなくノックボタンに直に付いています。
一般的なノック式ボールペンとは構造が異なっているんですね。
このため、本体はシンプルな筒状になっています。
ゴリアットカートリッジ
カランダッシュのボールペンで採用されているリフィル(替え芯)は「ゴリアット」と呼ばれ、とても滑らかな書き心地で有名です。
タンクからペン先へとインクが供給される軌道が5本設けられており、ダマやボテが起こりにくくなっています。
替え芯の本体はステンレススチールで作られ、先端にはタングステンカーバイドの球が仕込まれています。
タングステンカーバイド
タングステンカーバイドとは、炭化タングステンの英語名です。
鋼の二倍の剛性を持ち、鋼やチタンよりはるかに緻密な構造を呈します。基本的な性状は粉状でα−酸化アルミニウムに匹敵する硬さを持ちます。
工業用機械であるフライスなどにも使われます。
ゴリアットカートリッジは現在全4色が発売されています。
黒、青、赤、緑です。
ペン先の太さは太字、中字、細字の3種類があります。
インクタンクの容量も大きく、約8㎞の筆記が可能です。
インクの色合いは?
前述の通り、私は基本的にボールペンのインクは青を使用します。
という事で、カランダッシュとそのほか手持ちのメイカーのインクを比較してみました。
今回使用したのはカランダッシュ、モンブラン、ファーバーカステル、トンボ、ミツビシジェットストリーム、パーカーからそれぞれ発売されている青いインクです。
判りづらいのですが、最も色彩が鮮やかなのがモンブランですね。
次いでファーバーカステルのインクになります。
画像を見るとファーバーカステルのインクの方が鮮やかに見えるのですが、モンブランのペン先はFであり、対するファーバーカステルはペン先がMサイズとなっています。
ペン先が太いぶんファーバーカステルの方が鮮やかに写っているようです。
ミツビシジェットストリームはインク自体の粘度が低いため、書き味がほかのものと比べて軽いです。
色味も鮮やかというより深い青といった感じですね。
カランダッシュのインクは、モンブランやファーバーカステルのものと比べて濃く感じます。
青、というよりは群青に近い感覚です。
ミツビシジェットストリームのインクと近い色味ですね。
パーカーのインクは青にほんの僅かですが、紫色が差し込まれているような色合いです。
落ち着いた色彩だと思います。
トンボのインクはちょうどモンブランとファーバーカステルの中間のような色合いです。
まとめ
カランダッシュのリフィル「ゴリアット」は、モンブランのものと比べるとインク粘度がほんの僅かですが高いように感じます。
上の画像は全て同じ筆圧になるようにして、同じ速度で書いたものになります。
カランダッシュのものをよく見ると判ると思いますが、僅かに擦れがあります。
あくまでもわたし個人の判断ですが、カランダッシュのリフィルは速いペースでの筆記よりも、比較的ゆっくりと落ち着いた書き物に向いているように感じます。
カランダッシュのボールペンの魅力のひとつは、毎年のように発表される特別生産品です。
可愛らしいデザインのものも数多く存在するため、多くの方が気に入ったデザインのペンを見つける事ができるでしょう。
自分だけの特別な一本をぜひ見つけてください。
毎日の相棒として、カランダッシュのボーペンは長く皆さんの側にあることでしょう。
それでは、今日も良いカキモノ日和でありますように。