みなさんこんにちは!かいです。
皆さんはボールペンを日常的に使用しますでしょうか?
プライベートでの使用に限らず、役場に行った時など公文書の筆記なんかにはだいたいボールペンが用いられますよね。
ボールペンといえば文具店に行かずともコンビニなんかでも普通に手に入る筆記具です。
単色のインクのみならず、3色または4色など複数のインクを一本のボールペンで使うことができるようなモデルも販売されていますね。
ボールペンは50年近く前から、鉛筆やシャープペンシルと並び私たちの身近にある筆記具のひとつです。
もくじ
ボールペンとは?
ボールペンは、ペン先に小さな鋼球を内蔵し運筆とともに回転することで軸内のインクを滲出させて筆記する構造を持つ筆記具。精密機械であり、文房具の一種。
英語では “ballpoint pen” (ball-point pen)、あるいは単に “ballpoint” と呼ばれる。「ボールペン」は和製英語だとされることもあるが、俗称・商業用語として英語圏でも “ball pen” と呼ばれることがある。イギリス英語、オーストラリア英語では biro という名称も用いられる。
(Wikipediaより引用)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ボールペン
Wikipediaを読んで改めて知ったのですが、ボールペンは精密機械なんですね!
たしかに先端部に入っているボールは直径が1ミリ以下だと思われますし、滑らかにインク切れを起こさず線を引くためにはボールが真球に近くなければならない訳ですから、高度な技術が必要になるのはなんとなくわかります。
さらに、高級モデルになるとこのボールの材質が人造ルビーだったりします。
ボールペンが一般的に受け入れられた時期は?
1949年にオート社が日本で初めての鉛筆型ボールペンと証券用インクを開発しました。ボールペンの仕組みについてはそれよりも50年近く前、1884年にアメリカ人のジョン・ラウド氏が着想したのですが、当時はインク漏れを防止することができなかったようです。
さらに、このオート社は1964年、世界で初めて水性ボールペンの開発にも成功します。以降、各社が水性ボールペンを発売します。
そして、1966年にはゼブラ社がインク残量が一目で分かるボールペン「ゼブラクリスタル」を発売します。ボディ部分が透明なプラスチックで作られている簡素なデザインのボールペンです。現在では「ゼブラニュークリスタル」という名称になり、販売は続けられています。
それ以降、ゲルインク、エマルジョンインク等新しい道を模索しながら、ボールペンは国内外で進化を続けています。
1970年台以降、ボールペンは広く一般的に普及し始めます。そして、それまで使用される機会が多かった万年筆やつけペンは、ボールペンに取って代わられる事になりました。
ボールペンでの描画
私は一時期ボールペンばかりを使ってイラストのラフやアイデアなどを描く事がありました。
私が使うのは油性インクのボールペンのみです。さらに、インクの色はほとんどの場合青を使用します。
万年筆のインクでもそうなのですが、私は青系のインクが好きです。
現在でもちょくちょくボールペンを使って作業をします。
ボールペンはぺン先端に嵌め込まれているボールが回転することにより、インクタンクから送られてくるインクが線を書くというメカニズムです。
ボールペンはその構造上、使用を続けることによりペンの先端に使用しきれなかったインクが少しずつ溜まっていきます。この余ったインクを「ボテ」と呼びます。
ですから、私は時折ペン先を紙面に着けた状態でペンを回転させ、余ったインクを紙面に擦り付けて落とすようにします。
ボールペンをよく使う方でしたら共感していただけると思うのですが、この作業は回数を重ねることでかなりストレスになるのです。
ですが、イラストのラフを描いているときに、その余ったインクがイラストに効果的な表現を加えることができると気づきました。
このボテの利用価値に気付いてから、私はさらにボールペンを描画に使用するようになりました。
ちなみに、上にあげた画像はエアプレスで描いたものです。
エアプレスとの出会い
私が初めてトンボ エアプレスの存在を知ったのは2010年頃のことです。
当時勤めていた会社に出入りする、ある運送会社のドライバーさんが使っていたのがエアプレスでした。
しっかりとしたクリップのついた、小柄でかわいらしいボールペンに興味を惹かれた私はそのドライバーさんに話しかけ、手にしているボールペンについて尋ねました。
60近いであろう年齢のドライバーさんは、もともと無口であまり愛想のない方だったのですが、めずらしく笑顔になり、「このボールペンええで、雨降りの日に伝票が濡れてても書けるんや」と嬉しそうに応えてくれました。
無精髭の生えた頬が子供のように緩み、にっこりと笑う彼の前歯が3本ほど抜け落ちていたのが印象的でした。
それから私はボールペン本体に刻印されていた「airpress」を検索し、トンボ製のボールペンである事、彼が言っていたように濡れた紙にでも筆記できる事、さらに上向きでも筆記できることなどを知り、その日のうちに購入しました。
最初に購入したのはボディが黒のモデルでした。シックでかっこいいと思ったのです。
ただ、その隣にあったボディが白のモデルにも目がいきました。
なぜなら、白モデルの先端パーツと尾部、クリップは黒の成形色、対する私が購入した黒モデルの先端パーツとノックする尾部、さらにクリップはシルバーの成形色だったのです。
「2つ買ってパーツを取り替え、真っ黒のモデルにするか・・・」
私の頭の中で、そのような考えが浮かびました。私はシンプルなデザインの筆記具に惹かれるのです。
ですが、結局その日は黒モデル一本のみを購入し帰宅しました。
とりあえず帰って一度どういう構造なのかを確認するのが先決だと考えたからです。
帰宅後早速開封し、調べてみると尾部パーツの分解が出来ないことが判りました。残念でした。
ですが新品のエアプレスを手に握ってみると、いかにも書き心地が良さそうなのです。
芯を出す時の「ちゃきっ」という音と感触。しまう時の「きゃきん」という微妙に異なるノック音を何度も聴いていると、真っ黒いモデルがどうしても欲しくなってしまいました。
私は近所のディスカウントドラッグコスモスへ向かいました。
白いモデルのエアプレスを購入するためです。
やはり尾部のパーツはバラすことができませんでしたが、それ以外は黒で統一されたモデルに私は満足でした。
それから数ヶ月後、何となくAmazonでエアプレスを検索した私は愕然としました。
全てのパーツが黒で統一されたモデルが発売されていたのです!
先端から尾部まで文字通り真っ黒のエアプレスはとても魅力的でした。
私はその日、フルブラックモデルと銘打たれたエアプレスを5本まとめ買いしたのです。
エアプレスを使用してみて
約9年前のあの日、ドライバーさんから教えてもらった小さなボールペン、エアプレスは私にとって欠かすことのできないツールの1つとなりました。
まず筆記のために胴軸を握った時、非常に安定する太さであるということ。
親指、人差し指、中指の3本を自然な形で添えると筆記に最も適した状態になるのです。さらに無駄な力を入れずにその形のまま筆記ができます。
全長が短いので、取り回しが楽であることもポイントの1つです。利き手で握り込み尾部をノックすると、握った状態のままで筆記に適した位置にペン先が来ます。
すなわち、握り直しをせずにすぐに筆記できるのです。
全長が長いボールペンですとこうはいきません。ノックしてリフィル先端を本体から出し、筆記位置までペンを握り直す必要があります。
私がエアプレスを知るまでよく使用していたボールペンに、カランダッシュがあります。
カランダッシュ
カランダッシュ (Caran d’Ache) は、1915年に創業した鉛筆工場を前身にもつ、スイスの総合ブランド、高級メーカにして、スイス最大の筆記具メーカーである。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/カランダッシュ
カランダッシュ が販売するボールペンはサイズが小さめでとても扱いやすく、専用油性リフィルである「ゴリアット」の書き味は世界で最もスムーズといわれます。
カランダッシュの油性ボールペンはたくさんのデザインが販売されており、コレクションするのも楽しみ方の一つでしょう。
短めの全長と六角形のボディは握りやすく、スムーズな書き味も相まって愛用のツールの一つです。
ただカランダッシュのペンを屋外でラフに使用するには正直抵抗があります。ボディは金属製で細かな彫刻が施されているか、私が所有しているもののように可愛らしいデザインのペイントがされているものが多くあるため、できることなら余計な傷をつけずに使用したいからです。
その点エアプレスは屋外での使用を考慮した上で作られていますので、気にすることなくハードに使えます。
エアプレスの優れた点
キャッチフレーズの通り、湿った紙面に筆記することは可能です。
今までの油性ボールペンには無かったこの点の理由として、ボディ内部にある加圧機構により、ノックをすることで加圧空気を作り出し、インクを押し出すメカニズムが採用されているという事です。
この加圧機構はトンボ独自のものだそうです。
同じ理由で上向きの状態でも筆記が可能となっています。
私はエアプレスを仕事でも使用しているのですが、上向きで筆記する機会はほぼありません。ですが、初めてエアプレスを購入した際に試してみました。
仰向けになった状態で右手にエアプレスを持ち、スケッチブックにペンを走らせましたが、約1メートル程の筆記中、インクのかすれや途切れはありませんでした。
上向きでの筆記を常態で行うのはかなり限られたシチュエーションだと思いますが、職業柄で必要な方もいらっしゃるでしょう。いずれにせよかなり便利であることは間違いありませんね。
さらにこれはすぐれた点というわけではないのですが、ボール(芯)の径が0.7㎜で扱いやすいことも挙げられます。それまでよく使用していたカランダッシュはもう少し芯の径が太く、細かい文字を書くには不向きだと感じていました。
エアプレスのリフィルの書き味は「かりかり」と表現できるしっかりしたもので、カランダッシュのゴリアット特有の柔らかな感触とははっきり異なります。
ただ、これについては書き手の好みによりますので、どれが優れている、というものではありませんね。
エアプレスの改善してほしい点
私は初めてエアプレスを購入してから約9年間、仕事での使用を含めてほぼ毎日使用しています。
毎日とはいっても、もちろん一本のペンを9年間使用しているわけではありません。
一本のペンはだいたい半年くらいの使用である部品に不具合が出ます。
それがノックする部分の中にある部品です。
ノック式ボールペンの弱点
ノック式ボールペンは尾部を押し込む(ノックする)ことでリフィルが押し出され、ペン先が本体から露出しますが、押し込んだ指を離してもペン先は本体内に戻りません。
もう一度尾部を押し込むことでペン先は本体に収納されるわけです。
この仕組みは一般に「ノックカム」と呼ばれる部品群によって構成されます。
カム本体、ノック棒、回転子という3つの部品ですが、最近のノック式ボールペンの多くはペンの胴軸がカム本体を兼ねていることが多いようです。
ノック棒というのは尾部にある押し込むための部品です。下の画像では銀色の尾部の内側にあります。
回転子とカム本体にはまるでノコギリの刃のようなギザギザの刻みがあり、これがお互いに合わさる形で胴軸内に納められています。ペンの胴軸内側にノコギリの刃のような刻みが施されているわけです。
尾部を押し込むことで回転子とカム本体のギザギザが接触するのですが、ノコギリの刃のように斜めに合わさるため、抵抗を逃すために回転子はギザギザの角度に合わせてすべります。
ペンの胴軸は円柱状になっていますから、この動きがペン軸内で行われる場合は回転の動きとなります。
基本的にはこの繰り返しでペン先が出たり入ったりします。
本当はもう少し複雑なのですが、ノックの細かい工程と説明は別の機会にしたいと思います。
このノックカムはほとんどのボールペンでは樹脂製ですので、ノックの回数を重ねることによって徐々にですがパーツはすり減ることになります。
すると、ノックしてもしっかり引っかからずにリフィルがペン本体に戻ってしまったり、押し出した状態で止まってしまったりします。
これは使用頻度に比例する症状ですので、毎日使用しない場合でしたらどのくらい保つのか不明ですが、私の場合は半年ほど使用するとノックカムがダメになってしまいます。
ノックカムの調子が悪くなってもしばらくは使おうとするのですが、一度のノックでしっかりリフィルが出ずに、何度もノックをしなければならないというのはストレスになります。
ですので、イライラが募る前に新品に交換するようにしています。
エアプレスを5本ほど使い潰したとき、トンボ鉛筆のお客様相談室に一度電話したことがありました。
その時もノックカムを長持ちさせるための改良をしてもらいたい、とお伝えしたのですが、やはり「樹脂製のパーツなのでどうしても少しずつすり減ってしまう」という答えでした。
まあ長持ちさせすぎても売り上げに影響してしまうでしょうし、適度に新品に交換するのが良いですよね。決して高価すぎる筆記具というわけではありませんし。
さらにもう一つ私が気になっている点は、時間経過によってなのかあるいは私が屋外での使用頻度が高いからなのか、胴軸部分がベタついてくることです。
新品時はもちろんさらさらの感触なのですが、ノックカムの調子がおかしくなってくるのとほぼ同時期に本体のベタつきが出てきます。
ですので、だいたい半年を越えたあたりでしょうか。
こちらもまたかなりのストレスになります。人によっては気にしない方もいらっしゃると思いますが、私は筆記中に筆記以外のことに気を取られてしまうのが嫌なので、ベタつきが出始めた場合でも新品に交換するようにしています。
トップ画像にある黄色いモデルはつい最近まで使用していたものです。やはりノックカムの調子が悪くなってしまったので引退しました。ボディもかなり汚れていますが、味があって良いですね。
私は色々な筆記具を使うことが好きですが、一つの筆記具をほぼ毎日9年にわたって使い続けているのはエアプレスのみです。
万年筆や他のメイカーのペンを長期間使用していますが、それでも毎日は使わない事が多いです。
エアプレスは非常に優れたツールの一つです。私は今後も使い続けるでしょう。
カキモノを愛するみなさん、もしエアプレスを使用した経験がないようでしたら、是非一度使ってみることをお勧めします。
では、今日も良いカキモノ日和でありますように!