インク沼への第一歩#2 KWZ ink “Sheen Machine №1”

みなさんこんにちは、かいです!

主に万年筆好きの間でのみ通用する、ある言葉があります。

それは『インク沼』です。

日本語に『泥沼化する』などという言葉がありますが、その言葉から受ける印象は決して良いものではありません。

何かを探し求めて歩き始めたはいいものの、いつまで経っても望みのものに出会うことができず、彷徨い続け、挙句の果てには自分が何を探し求めていたのかさえもわからなくなってしまう・・・。

この『探し求めていたもの』の対象が万年筆のインクとなるのがインク沼です。

とはいえ厳密に言うならそんなに深刻な状況に陥るわけでもありません。人それぞれなんですね。

つまり沼にハマるのを楽しんでやっている方も多いということです。

わたしもそうです。

わたしが万年筆というものを知った頃と比べると、現在では数多くのメイカーがさまざまな色彩のインクを開発、販売しています。

インクに興味がある人間からするとこれは嬉しい事です。

不思議なもので、ある時期は『万年筆のインクといえばやはり青だな』と、いくつかのメイカーの青系統のインクを買い漁っていたかと思うと、『このメイカーのオレンジは美しいな』などと、いつの間にか異なる系統の色に興味を惹かれ、気づけばそっち系統のインクばかり探し求めるようになるのです。

これが際限なく繰り返されるわけです。

目次

KWZ ink “Sheen Machine №1”

さて今回は、以前から気になっていたKWZ(カヴゼット)inkの『シーン・マシン№1』です。

このインクはその名(sheen:光沢)の通り、筆記の後インクが乾くと、かなり強い反射を起こすように調合されたインク(シーンインク)です。

『KWZ Ink』(カヴゼットインク)は2012年ポーランドのワルシャワ近郊で万年筆用水性筆記インク製造を始め、2015年1月正式にKWZ Inkブランドとして創業致しました。

本製品は創業者で化学者であるコンラッド ズラヴスキー氏とアグニェシカ ズラヴスキー氏夫妻が独自に開発調合した製品で海外のペンショーでも高く評価されました。

上記のとおり、ポーランドのインクメイカーなんですね。

パッケージは白無地の厚紙で作られたボックスに黒文字と、シンプルなデザインで個人的に気に入ってます。

黒い遮光ガラスのボトル入りで、ボトルにはキャラクターの描かれたラベルが貼られています。

内容量は60ml、定価は2,310円(内税)です。

カヴゼット以外のメイカーから発売されているインクにも、乾くと反射を起こすものは複数あるのですが、このシーン・マシンは段違いに強烈な反射を起こします。

ちなみにこの№1は元々の色はかなり濃いめの青です。

これが乾いた後、光が当たるようにしますと…

光を反射してピンク色が現れます。

本来は『レッドフラッシュインク』と呼ばれますが、赤というよりはピンク寄りの色ですね。

インクボトルのラベルに青とピンクを湛えたキャラクターが描かれていますが、まさにあのような色合いになります。

書き味は?

気になる書き味ですが、前回紹介した同じカヴゼットの”orange”に比べると、かなりインクの粘度が高いようです。

わたしはしばらくモンブランの№146(ニブはF、無調整)に入れて使用しましたが、書き出しのときにかすれが出ることが多く、普段の筆記時よりも若干筆圧をかけなければインクが紙に触れないくらいに粘度が高いです。

この№146もインクフローは良好な個体なのですが、結局3週間ほど使用してみて、万年筆での常用は難しいか、あるいは相当インクフローが良くペン先のサイズが太めの万年筆に限定されると感じました。

まとめ

わたしはこのインクを使用するときはガラスペンかディップペンを用いるようにしています。

かなり美しい反射を起こすインクですので、普段使いにもいいと思います。

このインクを知らない方に見せると驚かれる事もあるので、意外と話題性はあるかも知れないですね。

それでは、今日も良いカキモノ日和となりますように!

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