みなさんこんにちは、かいです。
今回は筆記具とは少し距離を置き、アニメーションについて語ってみます。
なお、わたしはほとんどアニメを観ないため、この作品に関しましてもいわゆる「にわかファン」ですので、作品についての濃いレヴューができるわけではございません。
生暖かく見守っていただけましたら幸いです。
もくじ
ろんぐらいだぁす!とは?
ここでいう『ろんぐらいだぁす!』とは、三宅大志氏による漫画作品を原作とするテレビアニメーションを指します。
この作品の原作は、自転車のロングライドを題材とした同人誌『LONGRIDERS』を前身とします。
そのため、コミックス版の第4巻までは企画・原案協力としてLONGRIDERSのクレジットが記されています。
原作である漫画は一迅社より発刊されている『月刊ComicREX』2012年11月号より連載開始し、2018年5月号からは休載していました。
ですが2019年より『月刊ブシロード』へと移籍し、『ろんぐらいだぁすとーりーず!』に改題、連載再開しています。
自転車ブームの立役者のひとつ?
わたしがこの作品を知ったのはごく最近のことで、Amazonプライム・ビデオで視聴できるようになっていた頃です。
わたしはもともと自転車も好きだったので、なんとなく興味を持って視聴しはじめました。
2000年以降で言うと、2008年から『週刊少年チャンピオン』で連載中の『弱虫ペダル』という、同じく自転車を主題とした作品があります。
この作品はテレビアニメ、劇場版アニメ、舞台、ゲームなども作成されており、かなりの人気を博しています。
どうもこのあたりからロードバイクに興味をもつ方が増えてきたようですね。
数年前から勤め先の近くでもロードバイクに乗った方を多く見かけるようになりました。
自転車に乗る方のマナーについて取り上げられる事もあるようですが、ひとりひとりが心に余裕を持って自転車を扱うようになれるといいですね。
さて、大きな人気を誇る『弱虫ペダル』の主人公たちは高校生という設定で、インターハイでの自転車競技に主眼をおいて物語を進めているのに対し、『ろんぐらいだぁす!』では競技というよりも自転車によって得られる、或いは感じられるさまざまな魅力全般を紹介しながら物語を進めているように思います。
作品の主人公である倉田亜美(くらた あみ)はひょんなことから自転車に興味を持ちますが、初めて購入するのはロードバイクではなく折りたたみ式のミニベロ(小径車)です。
彼女の周囲に置かれるサブキャラクターたちはそれぞれロードバイクに乗っているのですが、彼女たちは『速く走ること』ではなくタイトル通り『遠くまで走ること』をメインに、長距離サイクリングイベントのひとつである『フレッシュ』参加を目標にして自転車を楽しんでいます。
ろんぐらいだぁす!の魅力とは?
主人公 倉田亜美
この作品に登場するメインキャラクター陣は全員が同じ大学に通う学生たちです。
物語の第一話は主人公である倉田亜美と、幼馴染みの新垣葵(にいがき あおい)が大学のサークル勧誘を受けているシーンから始まります。
運動神経抜群でスタイルがよく、男性っぽい不思議な口調とトーンで話す新垣葵に比べ、倉田亜美は運動音痴で少しトロいところがあるキャラクターとして描かれています。
第一話開始早々、倉田亜美は路面の小さなギャップに爪先をひっかけて転倒してしまいます。
このようないわゆる『ドジっ子(ドジっ娘)』を特性の一つとして描く文化は今に始まったことではありません。
わたしが若い頃から同様のキャラクターはさまざまな作品で描かれ、愛されていました。
女性の社会進出や社会的地位の向上、男女平等が叫ばれて久しい現代、倉田亜美のような『どこか儚い、守護ってあげたくなる』ようなキャラクターは今の日本人男性にもウケるのでしょうか。
今も昔も私たち日本人はドジっ子に萌えるのでしょうか。
ところで倉田亜美は路面のギャップで転倒しましたが、わたしが中学生だった頃に、わずかな引っかかりもない滑らかな体育館の床面で突如転倒して足首を骨折したN君という友人がいました。
彼は一体何につまづいたのでしょうか?
彼のドジっ子ぶりにはさしもの倉田亜美も真っ青でしょう。
のちの話で、亜美が発起人となって同じ大学に通う友人達を主軸としたサイクリングチームを結成することになります。
新垣葵
さて、主人公の周囲にいる数人のキャラクターたちも負けずに特徴的です。
先ほども紹介した、主人公の幼馴染みである新垣葵は、第一話の時点でロードバイク(第一話登場時はクロスバイクに乗っています)経験者という設定です。
後になって判明するのですが、葵の父親が自転車好きであり、その影響を少なからず受けているようですね。
また、新垣家は倉田家と家族ぐるみの付き合いをしているらしく、葵の父も亜美のことをよく知っているようです。
初登場時の葵はボーダーのカットソーに七分丈くらいのクロップドパンツ、おそらく裸足にベージュのビットローファーを身につけています。
大きめのトートバッグを持ち、全体的にとても清潔感のある装いです。
腰あたりまで伸ばしたクセのない黒髪も、服装から受ける印象のおかげで重く感じません。
大学一年生という設定ですが、とても落ち着いた女性としての印象を受けますね。
初登場時の葵は、ほかのキャラクターに比べてファッション的にも完成度が高いように思います。
西條雛子
颯爽と自転車に乗る葵の姿と、大学内の駐輪場で見かけた折りたたみ式のミニベロに魅了された亜美は、自身の自転車を購入するため葵の行きつけの自転車屋さんへと向かうことになります。
ふたりが見かけた自転車はそのショップでも販売していたのですが、亜美が予測していたよりも高額であったために泣く泣く購入を諦めることになりました。
ショップからの帰り道、葵は別の自転車屋さんへ立ち寄ることを提案します。
そしてそこで、亜美は可愛らしいデザインの折りたたみ式ミニベロを見つけ、一目惚れして即決で購入してしまいます。
当初購入するつもりであったモデルに比べるとだいぶ安価だったとはいえ、自転車が持つ性能の差や造りについて話して聴かせようとする葵の言葉を耳にせず購入を決断してしまうあたり、後先考えない亜美の性格が現れていますね。
人の忠告には耳を傾ける余裕が欲しいものです。
さて、無事に自身の自転車を購入できた亜美は、葵からの提案で『境川サイクリングロード』を一緒に走ることになりました。
亜美は購入した自転車に『ポンタくん』という名前をつけ可愛がります。
非生物に愛称をつけて想いを込めるという行為は昔からあります。
わたしも以前所持していたバイクに『どんどろはん』と名付けて乗っていました。
『どんどろはん』とは讃岐の方言で『雷』或いは『雷神』という意味です。
鳴り響く雷鳴を描写した『どんどろ』に『〜はん(さん)』という敬称を付けた言葉ですね。
単気筒のバイクだったのですが、仲間とのツーリング時にトンネルの中を走っているとわたしのバイクの排気音がトンネルの壁面に響いてとてつもなく喧しかったのです。
その音を聞いた仲間のひとりが『どんどろはんみたいやな』と言ったことがきっかけでした。
作品に話は戻りますが、境川サイクリングロードを走っていた亜美は、途中で『ハンガーノック』という極度の低血糖状態に陥ってしまいます。
朝食を摂らずにサイクリングを続けていたためです。
へたり込んでいた所にロードバイクに乗ったふたり組が通りかかり、葵は声をかけて助けを求めます。
初めてのサイクリングだという亜美に、自身が持っていた補給食を手渡してくれる女性が西條雛子(さいじょう ひなこ)ですが、彼女もまた非常に特徴的なキャラクターです。
かなり小柄な体格(設定では143㎝だそうです。)に、金髪ロングのツインテール。
雛子自身は、小柄な体格ゆえに身体の一部のサイズにコンプレックスを持っているようです。
そして八重歯が覗く口元につり目。
さらに後になって判明するのですが、彼女の実家が中国料理店を経営しており、趣味である自転車に費やすお金を捻出するために雛子はその店でチャイナドレスやバニーガールなどの服装で接客のアルバイトをしています。
そこで働く雛子の母親も金髪であるため、雛子の髪は母親譲りの地毛だと予測できます。
かなり濃い特性をこれでもかという程詰め込んだキャラクターですね。
そして彼女も、亜美や葵と同じ大学に通う3年生でした。
自転車に興味を持つ亜美や葵を誘って、いろんなところへサイクリングに出かける算段をするのがこの雛子というわけです。
一之瀬弥生
ハンガーノックを起こして道端にへたり込んでいた亜美たちのもとへ通りかかったふたり組の、もうひとりの女性が一之瀬弥生(いちのせ やよい)です。
彼女もまた、亜美たちと同じ大学に通う学生で、前述の雛子と同い年の3年生だということでした。
雛子に比べると身長は高く、ウェーブのかかった髪が特徴的ですが、常に目を細めてにこにこと笑みをたたえた表情で描かれており、よく喋る雛子とは対照的に口数は少なめです。
そのため、どこかおっとりした『お姉さん』という印象を受けます。
また彼女はこの作品に登場する『メガネキャラ』でもあります。
アニメや漫画などの作品に登場するメガネをかけたキャラクターの意味合いというものも、わたしが子供の頃に観ていたアニメと比べると大きく変化しましたね。
藤子不二雄作品などでもメガネをかけたキャラクターは存在していましたが、あくまでも『よく勉強する人』を位置付けるためのものだったように思います。
メガネ=勉強のしすぎで視力が弱くなった、という構図がマジョリティーでした。
ですが、メガネが視力矯正のためのツールという範疇を超えてファッションの一部として世間でも認められるようになった事で、『メガネをかけたキャラクター』がマイナスのイメージのみで見られることはかなり少なくなったように感じます。
また、彼女の場合も後々判明することですが、自転車や自転車を構成するさまざまな部品、コンポーネントなどに関する知識が豊富で並々ならぬ愛情を示します。
マニアですね。
相方の雛子がもつ特徴が多すぎるため、どこか一歩引いた感を受けますが、アニメのキャラクターとして必要な立ち位置でしょう。
高宮紗希
第一話では登場しないのですが、雛子や弥生と同学年である3年生で、同じく自転車を愛するキャラクターとして描かれています。
彼女はほかのメンバーたちとは異なり、独りであちこちを走り回る、ソロライドを主軸に自転車を楽しんでいるようです。
彼女の初登場時は、新垣家の家族旅行に亜美も同行することとなった渋峠(しぶとうげ)でふたりと出会うシーンでした。
渋峠とは、群馬県吾妻郡中之条町と長野県下高井郡山ノ内町の間にある峠の事で、ここは日本の国道最高地点として登録されています。
ちなみにここの標高は2172mであり、ここまで自転車で登ってきた高宮紗希(たかみや さき)と話をして、亜美は初めて『ロードバイク』に興味を持つようになります。
そして彼女もまた、亜美たちと同じ大学に在籍する3年生だと後になって判明します。
ところで紗希が初登場した際、彼女のトレードマークでもあるポニーテール姿だったのですが、髪の毛を束ねているバンダナ(でしょうか?)が、わたしは何なのか初見では理解できませんでした。
わたしの勝手なイメージとして、ポニーテールを作るためにシュシュかヘアバンドを用いるものと思い込んでいました。
ですので、紗希の姿をみたとき髪留めとは思わず、何か背負っているものの一部分が見えているのだろうか?とあまり気にしませんでした。
ですが、自転車を降りるシーンで背面が映るのですが、その時にどうも髪の毛を束ねているものだと判明し、少し驚きました。
やたらと横方向に張り出していますので、アンテナみたいですね。
ちなみにこの髪留め、原作漫画版ではどんどん大きく鋭く成長し、場面によっては紗希の肩幅よりも大きく張り出してさえいます。
もしかすると、この髪留めこそが紗希の本体なのではないか?と邪推してしまいます。
この髪留めについて、アニメ版で語られることはなかったのですが、原作漫画の中でいつかエピソードが出てくるのでしょうか?
何か特別な思い入れがあって常用しているのでしょうか?
興味は尽きませんね。
佐伯美弥
亜美たちと同じ大学に通うキャラクターで、アニメ版では最後発となるのが佐伯美弥(さえき みや)です。
彼女は亜美と同じ講義を受けているシーンがあり、おそらく以前から面識はあったと考えられますが、美弥自身がかなりの人見知りなのか、ほとんど会話を交わしたことはなかったようです。
そんな中でも、亜美が友人たちと自転車を通じてさまざまな経験を重ねている話を聴くにつけ、美弥もまた自転車に興味を持つようになります。
そして、彼女も自身でロードバイクを購入するに至るのです。
テレビアニメ版では美弥と他のチームメンバーとの接触はほとんど描かれませんが、漫画原作版ではまたさらに進展がある事でしょう。
その他の登場人物
上で紹介した他にも何人かの登場人物はいるのですが、漫画原作版に比べてアニメ版ではあまり物語には加わってこないです。
倉田恵美(くらた えみ)
本編主人公の妹。
自転車にハマっていく姉を見て自身も同じく自転車に興味を持つようになります。
一之瀬葉月(いちのせ はづき)
一之瀬弥生の妹で倉田恵美の同級生。
恵美が自転車に興味を持つようになる一因でもあるキャラクター。
本編の中で倉田姉妹と一之瀬姉妹がサイクリング中、偶然出会うシーンがありますが、その時まで自分たちの姉同士も同じチームのメンバーだとは知らなかったようです。
パカさん(ぱかさん)
主人公達がいつも利用している自転車店の店長ですが、初登場時よりアルパカの被り物をして接客するという暴挙に出るのみならず、常に語尾に『〜パカ』と付けて喋ります。
年齢不詳の女性であるようですが、なかなかの仕上がりですね。
漫画原作版では自身もロードバイクを駆り、かなりのベテランとして描かれています。
オープニングテーマ曲
わたしがこの作品で興味を惹かれたことのひとつが、アニメ版のオープニングテーマ曲です。
タイトルは『♡㎞/h』といい、読みかたは『はーときろめーとるぱーあわー』です。
作詞はmeg rock、作曲・編曲はy0c1e、歌っているのはRayさんという方です。
残念なことにRayさんは2017年で歌手としての活動を停止してしまったようですが、わたしはこの曲が作品と非常にマッチしていると感じました。
ですので、個人的にはオープニングが見どころのひとつだと思っています。
まとめ
この作品はアニメーション版として全12話完結となっています。
わたしは一切前知識なしでなんとなく視はじめたのですが、かなり面白い作品だと感じました。
登場するキャラクターたちはブルベというイベント参加を目標としているのですが、決して誰かと競い合うわけではなく、自分自身を高めて仲間たちと自転車を楽しんでいます。
漫画原作版では現在も連載が続いているようですので、これからも期待したいと思います。
それでは、今日もよいカキモノ日和となりますように。