みなさんこんにちは、かいです!
『万年筆』という筆記具が持つイメージはどういったものがあるでしょうか?
万年筆に触れたことのない方からすると、やたらと高価、使い方がよくわからない、などが挙げられるのではないかと思います。
実際そういったモデルも多く、ある程度の知識がないと扱いにくいのも事実なのですが、万年筆の機構を簡略化し、扱いやすくしたモデルもさまざまなメイカーから多く発売されています。
そういったモデルのひとつが今回取り上げる『ラミー サファリ』です。
『ラミー(Lamy)』はドイツに本社を構える筆記具メイカーです。
1930年に会社が設立されたと言うことですから、実に90年以上の歴史を持つ企業です。
今回、万年筆好きの間ではかなりメジャーなモデルである、ラミー サファリをレヴューします。
ラミーの商品の中でも『サファリ』のシリーズは比較的安価な価格帯でありながら、非常に扱いやすいモデルです。他にもシャープペンシル、ボールペン、ローラーボール(水性インクを用いたボールポイントペン)も同じくサファリのシリーズとしてラインアップされています。
もくじ
まず結論
結論から先に申し上げますと、万年筆を使ったことのない方にこそ使ってほしい一本である、ということです!
いかにその理由をいくつか紹介します。
軽量でシンプルなデザイン
ラミー サファリはボディが樹脂製です。
軽量でありながらしっかりした作りのため丈夫です。ひとつの特徴が、グリップ部にくぼみが設けられており、自然に握り込むと正しく万年筆を握る事ができるように設計されています。
またクリップが頑丈なワイヤー製で、かなりしっかりとホールドされます。
胴軸部分にはインク窓が設けられており、一目でインク残量が確認できます。小さな工夫ですが、こういったところも評価を上げる点ですね。
全体的にみて非常にシンプルなデザインが採用されています。
本国ドイツでは学生などの若年層から人気を得ているようです。
扱いやすいカートリッジ・コンバーター両用式
例えばボールペンなどは皆さんの日常生活において、かなり深く浸透していることと思います。
ボールペンは購入時から一定量のインクが備えられたタンクが本体内に組み込まれており、手にとってすぐに筆記することができるように造られています。
万年筆の中でも『吸入式』、もしくは『コンバーター式』と呼ばれているモデルは、この『インクをタンク内に準備する』という工程を使用者自身の手で行う必要があります。
ですが、多くの『コンバーター式』の万年筆は、同時に『インクカートリッジ式』という方式にも対応しています。
これは名称のとおり、あらかじめ一定量のインクが封入された『インクカートリッジ』を本体に取り付けることで、インクで手を汚すことなくすぐに筆記することができるという方式を備えたモデルです。
今回紹介する万年筆『ラミー サファリ』もまた、『コンバーター・カートリッジ両用式』です。
ちなみに『コンバーター』は『吸入器』と呼ばれることもあります。簡単に説明しますと、インクの入ったボトルからインクタンクの中にインクを吸い上げるための、ピストンなどの機構を備えた装置です。
コンバーターの利点としてひとつ挙げられるのは、インクカートリッジに比べて、自分の好みの色のインクを使用しやすいということでしょう。
カートリッジのインクは色彩の種類がボトルインクに比べて少ないこともあり、好みのインクがカートリッジにはない、という場合があります。
その点コンバーターでしたら数多くあるボトルインクの中から自分好みの色を使用することができるわけです。
注意点として、万年筆メイカーによっては自社から販売されているインクのみを使用するよう推奨している事があり、他社のインクを使用していた際に不具合が起こった場合、保証対象外となることもあります。
ちなみにヨーロッパのいくつかの万年筆メイカーの間ではインクカートリッジの形状が統一されており、他社のインクカートリッジを使用できる万年筆もあります。
購入しやすい価格帯
サファリシリーズの万年筆は公式サイトでの販売価格が税込4400円となっていますが、Amazonなどの販売サイトでしたらかなり価格が下げられている場合があります。
タイミングなどもありますので一概には言えませんが、2500円程度で販売されているものもありますね。
わたしがお勧めしたいのは、公式サイトではなくこういった販売サイトからの購入です。
どうしても欲しいカラーのペンが公式サイトでしか購入できないといった場合は例外ですが、筆記具を扱っているサイトでもかなりの種類のモデルが定価よりお安く入手できます。
ちなみにサファリを購入するとブルーのインクカートリッジが一本付属してきますので、買ってすぐ筆記できます。
またコンバーターは別売となっていますので注意が必要です。
簡単に交換可能なペン先
万年筆は購入時、筆記する際の線の太さを数種類あるペン先の中から選択します。
このペン先を『ニブ』と呼ぶこともあります。
サファリの場合、ニブの種類は線の細い順に『EF』『F』『M』『B』の4種類と、さらに左利き用のニブもあります。
万年筆の書き味に何を求めるかによって、好みのニブ幅を選択するわけですが、市販されている万年筆の中にはニブを交換できるものがあります。
つまり、万年筆を購入した後からでもニブの幅を替えることができるというわけです。
多くの万年筆は『首軸』と呼ばれるパーツごと交換するのですが、本来万年筆は精密機器ですので購入したショップなどにお願いするのが無難です。
万年筆に慣れている方は専用の工具を使って自身で分解清掃を行いますが、メイカーの補償が受けられなくなるモデルもありますのであまりお勧めはしません。
さて今回紹介しておりますラミー社のサファリですが、ニブの交換が比較的簡単に行えます。
万年筆はインクタンク内に留められたインクを毛細管現象によって『ペン芯』と呼ばれるパーツまで導き、ペン芯に取り付けられたニブの先端から紙面にインクを伝えることによって筆記します。
サファリはこのペン芯自体にニブが嵌め込まれるための溝が切ってあり、少し力を入れるとニブを引き抜くことができます。
とはいえ、かなりキッチリと嵌め込まれていますので、取り外す時は爪先を割ったりしないように注意が必要です。
また乱暴に扱いますとペン芯を壊してしまうことに繋がりますので、同じく注意が必要です。
サファリのペン芯は首軸に固定されているわけではありませんので、ペン先をつまんで引くと取り外す事ができます。
何度か試してみれば慣れてきますが、どうしても難しい場合は扱い慣れた方やショップに相談することをお勧めします。
交換用のペン先の価格は万年筆のモデルによって大きく異なり、数万円のものから千数百円で購入できるものもあります。
ラミーのペン先はステンレススチール製ということもあって高価ではありません。
だいたい1500円から2000円までで購入できます。
新しく加えられる限定カラー
サファリはもともと多色展開で販売されているシリーズですので、可愛らしいボディカラーが多く人気があります。
さらに近年ではポップな色のモデルや、日本限定で販売されているモデルもあります。
また一年限定で生産されているカラーのモデルもありますが、これらについてはまだ店舗に在庫が残っているものもありますので、興味のある方は早めに購入されることをお勧めします。
まとめ
ラミー サファリといえば万年筆の中でも有名な部類に入るものです。簡素化されていながら無駄のないデザイン、しっかりとした造り、カートリッジ・コンバーター式の扱いやすさなど、万年筆の基本的な性能を詰め込んだモデルだと思います。
さらに前述しましたように、左利き用のニブやカリグラフィ用のニブも販売されています。
価格は公式サイトで購入する場合が4400円、その他の販売サイトを利用するなら2500円程度から購入できます。
正直なところ、欠点らしい欠点は見当たりません。
ただ、『万年筆』に何を求めているのか、という考え方によっては不満に感じるところもあるかも知れません。
例えば、パッケージがとても簡素です。
厚紙を箱状に折ったものにペン自体を固定するためのストッパー(クリップを挟み込むための切れ込みが設けられた厚紙)だけで構成されています。
その中に説明書とペン本体が入っています。
これだけです。
高級万年筆のようにクッションの効いたケースが準備されているわけではありません。
ですがこれで十分だと思います。
また、当たり前ですがニブはステンレススチール製です。
これもまた、やわらかい書き味を求める方からすると不満が残るかも知れません。
しかし今どき数千円で購入できる万年筆で金ペン(金製のニブ)を採用していることはまずありません。
冒頭で申し上げましたように、万年筆を始めて使う方に是非手に取っていただきたい万年筆のひとつがこのサファリです。
サファリはそういった万年筆なのです。
シンプルでありながら必要充分。そして愛着を持って使い続けられる万年筆。
それがサファリです。
決して高価ではない価格も魅力のひとつですし、豊富なカラーリングに惹かれる方もいらっしゃるでしょう。
万年筆に興味を持った方に是非、一度手に取ってもらいたいと思います。
それでは、本日も良いカキモノ日和となりますように!